仕事=やりたいこと?
「やりたいことを仕事にしよう!」
これを聞いてどう感じますか?
やりたいことが明確にある人にとっては、自分の「好き」から仕事を探していけば良いですが、そうでない人にとっては、こうした言葉を聞くたびに、やりたいことのない自分に悩んでしまうケースもあるようです。
そもそも、「やりたいこと」がないと仕事は選べないのでしょうか?
仕事を選ぶ基準は「やりたいこと」だけなのでしょうか?
多様な仕事の選び方
たしかに、自分の好きなことや興味のあることを起点に仕事を選ぶ人は多いですが、職業選択のポイントは他にもあります。
例えば、自分の能力や得意な分野。「人の悩みを聞いてあげることが得意」など、誰もができるわけではないけれど、自分にとっては何も考えなくても不思議と人よりできることが必ずあるはずです。
また、価値観もあります。「挑戦すること」「一体感を感じること」など、自分が大切にしていることです。

このように仕事の選び方は多様にあり、どれが正解ということはありません。
社会から必要とされている役割と、自分の興味・能力・価値観などの重なり合う部分が、職業の選択ポイントとなるのです。
そのため、自分の興味・能力・価値観を知ることが、職業選択の手がかりになります。
自分を知ることで、職業を選ぶ基準や優先順位を付けやすくなります。
さらにそれらが、自尊心・自己肯定感・自己効力感の安定にもつながるのです。
また、やりたいことを起点にすると、「広告業界が気になる」「マーケティングがやりたい」といった風に業種や職種が絞り込まれますが、価値観を起点にすると、「挑戦したいからベンチャー企業にしよう」「一体感が好きだからチームワークを大事にする会社がいい」といったように、業種・職種だけでなく企業の属性や社風に目を向けることができます。
ライフも考えてこそ、充実した人生に
さらに、キャリアは「職業選択」だけではありません。
人生は、職業人としての生活(ワーク)だけではなく、個人(プライベート)としての生活(ライフ)によっても構成されているからです。
そのため、「どんな仕事をするか」だけでなく、「どういう生き方をするか」ということも、総合的に考える必要があります。
女性であれば、結婚や出産といったライフイベントはワークに大きな影響を与えますから、将来どういう道を選ぶかも視野に入れておくと良いでしょう。
ワークとライフ、双方に満足できてこそ、人生の充実感を得ることができます。
自分にとって満足や充実感のある人生とはどのようなものか、その手段となる職業は何か――。
単純な「好き」だけではなく、こうしたことも深く考えながら、仕事を選んでいきましょう。
アウトプットしてみよう
上記は、2021年10月9日にLean In Keioのオンラインイベント「価値観から10年後の自分を考えるワークショップ」でお話した内容です。
イベントでは、自分の価値観や、10年後のワークとライフについて考えるワークショップを行いました。
参加者の方からは、「自分の価値観を言語化することで理解できた」「周りの人の価値観にも触れることができて良かった」といった声がありました。
頭の中で考えるだけではなく、ぜひアウトプットもしてみましょう。
*女子大生のキャリア支援を行っているLean In Keio(リーンイン慶應)の詳細はこちら