私は、いわゆる「優等生」と写っていたと思います。
中学、高校ともに学業に関してはトップクラスで順位としても上位をキープしており、内申点も申し分ない点数。バレーボール部に所属しており、中学・高校ともキャプテンを務めており、試合の成績もそこそこの結果を残していました。
大学も学業や部活動の成績から推薦入試で国立大学の工学部に入学し、引き続きバレーボールに入部しました。2学年下の女子バレーボール部の彼女もでき、学業、部活動、恋愛共に非常に順風満帆な大学生活だったのです。
インターンから第一志望へ
そのまま大学院に進学し、やがて就職活動をする時期を迎えました。
そこで大手の自動車メーカーにインターンにいきました。排気ガスの浄化の研究開発を行っており、そこでのインターンを通して入社したいという気持ちを強く抱くようになりました。
インターン先には私と同じ研究室の先輩社員も在籍しており、紹介してもらって何度もインタビューしたり、企業研究をしたりしました。インターン先の社員の方々も優しくしてくださり、第一志望の気持ちはますます強くなっていったのです。
同時に私はその企業に就職できると強い自信も生まれてきました。
「院だけでなく、中学からずっと成績も問題ない」
「部活にも打ち込んで、キャプテンの経験もある」
「筆記・面接対策もバッチリだ」
そのため、他の会社の企業研究やエントリーは全くしていませんでした。書類面接、SPI、筆記試験、一次面接と淡々と行われ、私は順調に第一志望の就職試験をクリアしていきました。
最終面接
そして最終面接を迎え、人事部長・役員を含めた面接。ここでも私は自信がありました。
今思うとその自信とは会社に役に立つ人材であるとか、適正があるとかではなく、ただただ就職という「面接試験をクリアする」という自信でした。会社の求める人材を「演じきる」という自信だったと思います。
しかし最終面接の反応は良くありません。面接官は少し気になるリアクションばかりでした。とはいえ最終面接が終われば結果を待つのみです。今までとは異なりなかなか結果通知が送られず、1週間程度たったころ連絡がきました。
結果は「不採用」。
目の前が真っ暗になるとはこのことでした。あんなに自信があったのに、なぜ。
絶望
今なら想像できるのです。役員の方々は私のことを見透かしていたのでしょう。
今までずっと優等生でした。良い結果がでることが当たり前で、大きな挫折や苦難を今まで経験し乗り越えたことがありません。そのためにプライドだけ高いところもありました。
今までの自分の人生は一体なんだったのか。
優秀だと思っていた自分がこんなことになるなんて。
悔しくて、惨めで、初めての挫折経験に私は絶望しました。そこから就職活動は全く手を付けられなかったです。
同じ研究室の友達や後輩は就職先が決まっており、卒業まであと5か月もありませんでした。しかも私は全く他の会社のエントリーをしておらず、企業は採用の募集は減っており、時すでに遅し。
もちろん助けてくれる人なんていません。
彼女の一言
私は既に内定をもらっていた当時4年生の彼女に八つ当たりをしてしまいました。
当時大学から電車で一緒に帰っていましたが、ある日、冷たくあしらい、「お前は内定きまっているからいいよな!」と暴言を吐いてしまったのです。
そんな自分も含め惨めで嫌になり、私はそのまま自宅最寄り駅で泣き崩れてしまいました。
もう自分の人生は終わった。
この失敗はもう取り返しがつかない。
そんな風にすら思え、絶望の中で何もやる気が起きませんでした。
でも彼女は違いました。そんな私に向かって「また1から始めよう!まだ何とか頑張れるよ!」と味方してくれたのです。
その言葉から、私の心の中で何かが起きました。
このままでウジウジしていたら本当にダメになる。今なら、まだやり直せる。気持ちを切り替えるしかないと。
次の日からハローワークにいったり、就職サイトの求人を探したり、先輩達を頼ったりと必死に就職活動を再スタートしました。
這い上がる
輩からまだ募集している自動車部品製造メーカーの企業があるから、そこを受けろと強く勧められました。
その企業は私の第一志望の会社の下請けでしたが、迷わずすぐに履歴書を送りました。
書類審査や筆記試験は合格し、一次面接も合格しました。そして人事部長・役員の方々もいる最終面接です。
これまでの挫折した就職活動の内容などありのままの自分を見せ、プライドのない素直な自分を表現することができたように思います。第一志望の時と違い、手応えを感じることもできました。
結果、内定となりました。
第一志望に落ちた僕の人生は不幸か
内定をもらったことを直ぐに彼女会って伝えました。
そしたら彼女は「ヤッター!」と飛び上がって喜んでくれました。
私は非常に嬉しかったです。しかも、内定先の会社は本当にたまたまなのですが、彼女の内定先と同じ企業でした。
そして彼女と一緒に同じ会社に無事に入社することができ、数年後には結婚し、今は8カ月になる赤ちゃんも生まれ幸せな生活を送っています。
今でも第一志望に落ちた時の絶望感は忘れることができません。
ですが一方で、第一志望に落ちたところで人生が終わる、不幸が確定するなんてことは絶対にない、と思います。
大事なのは大きな挫折であってもそこから這い上がるということです。
私にとっては就活が初めての大きな挫折経験でした。しかし社会人になっても悔しい思いをすることは多々あります。挫折や絶望から逃げ続けることはできません。
当時は辛かったですが、あのまま何も挫折を知らず、そこから這い上がった経験をせず社会人にならなくてよかったな、と思います。
またこの就職活動を通して、「上部だけの取り繕い」が通用しないことも知りました。自分の強みをアピールすることは大事ですが、優秀な人間を演じることは全く別です。それは人としてもあまり信用されないですし、いつかボロもでるでしょう。
就活を挫折から這い上がった事は忘れもしません。困難を乗り越えたこの経験を大事にしていき、これからもありのままの自分で生きていいくつもりです。

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