起きてしまったことは変えられないけど、「その経験がどんな意味を持つのか」は自分で選択することができる

    自分を見つめる

    経験とは、あなたに起こったことではない。起こったことに対してあなたがしたことである。


    オルダス・ハクスリー

    当たり前ですが、人生とは日々選択の連続です。私たちはお昼ご飯に何を食べるのかと言った些細なことから、どこに就職するのかという人生に大きく関わることまで、たくさんの選択を行なっています。

    選択する、と表現するとプレッシャーを感じることもあるでしょう。「正しい道を選ばなければ」「失敗してはいけない」。

    しかし、一方で選択する、とは自由であるというこでもあります。もし私たちの日常や人生に選択肢が与えられず、決められたことを行うだけであったら。それは非常に生きづらいことでしょう。

    選択肢がある、というのはある意味ありがたいことなのかもしれません。

    出来事を「どう捉えるか」も選択である

    わたしたちが選択しているのは、決断や行動だけではありません。出来事に対して「どんな捉え方、受け止め方をするか」ということも選択しています。

    わたしたちの〈感情・反応〉などを決めるのは出来事や事実そのものではありません。

    こんなケースを想像してください。

    ある学生の2人はランチをとるためにためにカフェに入り、2人とも同じメニューを注文して待っていました。ところが、店員が間違った品を持ってきてしまいます。

    その時、1人は「オーダーと違うじゃないか」と怒り出し、「いますぐ正しいメニューを作り直せ!」と、厳しく当たる対応をしました。

    一方、別の1人は「まあ、あのスタッフさん、まだ『研修中』ってバッチがついてるし。ましてやランチタイムで混雑しているから間違うこともあるよ。時間もないからそのメニューでいいよ」と、穏やかな対応をしました。

    同じ出来事に遭遇したのに、全く異なる感情と反応をした二人。なぜでしょうか。

    それは二人のこの出来事に対する〈捉え方〉が異なるからです。

    感情や反応を分けるもの

    このように、同じできごとであっても人によって反応が異なることを、心理学では「ABC理論」で説明しています。

    • A(Activating Event)=出来事
    • B(Belief)=信念、思い込み、自分の中のルール、自分なりの考え方
    • C(Consequence)=結果として表れた感情、症状、対応など

    何かを経験すると、「よかった」「不満」などいろんな感情が芽生えます。それを私たちは〈出来事→感情〉つまり、〈A→C〉と単純に考えてしまいがちです。

    ところが、先程のカフェの例で示したように、結果として異なる感情に分岐点〈B:信念、自分なりのルールや考え方〉があるのです。

    カフェで間違ったメニューを運ばれた時、怒った男性には「お金を貰う側の店にミスなどあってはならない」「客側が妥協する必要は全くない」という考えを持っているのかもしれません。一方、穏やかな対応をした男性には「ミスは起こるもの」「空腹が満たされれば問題ない」などの考えがあったのでしょう。こうした考えが、結果として二人の反応を分けることになった、ABC理論の〈B〉なのです。

    あるいは、怒った男性には〈B:信念、自分なりのルールや考え方〉が無かったと説明することもできます。深く考えずに、メニューの〈間違い・ミス=悪いもの〉と短絡的に怒りの感情を発露してしまったのかもしれません。

    事柄に怒ってはならぬ。事柄は我々がいくら怒っても意に介しない。


    モンテーニュ

    「出来事」と「感情・反応」の間にあるのは、〈自分なりの〉考え方です。つまりわたしたちの最も〈自由〉な部分でもあります。

    出来事に対して反射的に対応してして、怒ったり、悔しがったり、嘆いたり、諦めたりしてしまうのか。それとも自分なりの信念や考え方で出来事の捉え方を選択するのか。どちらがより〈自由である〉と言えるでしょうか。

    「〇〇ガチャ」と言いたい気持ちもわかるけど

    最近、若い人たちを中心に「親ガチャ」という言い回しがあることがニュースになりました。

    ここでは、ニュースの内容自体には触れません。家庭環境に問題を抱えている人は確かに存在するし、苦労も多いことと思います。一方恵まれた家庭が存在するのも事実です。

    わたしがここで言いたいのは「親ガチャ問題」についてではなく、「〇〇ガチャ」という言い回しが溢れていることです。「就職ガチャ」「上司ガチャ」「学校ガチャ」…など。

    おふさげで表現している分にはいいかもしれません。しかし、なんでも「ガチャ」つまり「世間的にアタリなのか、ハズレなのか」と反射的に反応してしまうのは、自分なりの捉え方という〈自由〉を放棄してしまっていないでしょうか。

    今、そしてこれからは「正解のない時代」と言われています。

    言い換えると「自分で正解を作っていける時代」です。

    それは、みなさんの将来の選択肢だけではありません。すでに起こってしまった出来事をどう捉えるか、その正解も作っていけるのです。

    あなたは出来事に対する受け止め方を、自ら選択していますか?

    [関連する書籍]

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