誰とでもすぐに信頼関係を築く、コミュニケーションのコツ

    スキルを磨く

    世の中には「ひとたらし」と呼ばれるような人たちがいます。

    出会う人みんなと、すぐに打ち解けてしま、なぜか心を開いてしまう。不思議な魅力をもった人。

    私の大学時代のA先輩がまさに「ひとたらし」なんです。

    ちなみに、この「ひとたらし」という言葉、今でこそ「多くの人々に好かれること。また、その人。」という意味がメインで使用されています。(デジタル大辞泉より)

    「あなたって、ひとたらしね」と言われたら、褒め言葉の意味合いが大きいでしょう。

    しかし、もともとは「人誑し」と書きます。「誑す」とは「巧みな言葉で騙す、甘い言葉で誘惑したぶらかす」ことです。そのため「ひとたらし=人を騙すこと、またはその人」という意味で使われていたのでした。

    「女たらし」という言葉の「たらし」は今でもよくないニュアンスが強いですよね。

    では、なぜ「ひとららし」が良い意味合いになったのか。これは作家の司馬遼太郎が著書の中で戦国武将・豊臣秀吉を「ひとたらしの天才」と評したことがきっかけです。

    司馬遼太郎は秀吉が大好きだと公言していますから、「人たらし」が褒め言葉であると言い切っていいでしょう。

    こうして、それまで「ひとたらし」とは全く別の意味が広がったそうです。司馬先生が作った流行語ですね。

    誰からも信頼される先輩

    話題を私の大学時代のA先輩に戻します。

    彼もスバリ「ひとたらし」な人でした。老若男女問わず好かれ、信頼され、重要な役を任されることも多かったです。

    一緒にいると、彼が好かれる理由はよくわかります。

    • ポジティブで、笑顔であることが多い
    • 約束を破らない(友人とのたわいもない約束も守る。例えば遅刻やドタキャンはしない)
    • 悪口を言わない、愚痴もほとんど言わない
    • 人のよいところを見つけ、伝えることが多い

    など。言い換えると〈人として素晴らしい〉のです。人から好かれるのも当然ですね。

    ただ、彼の場合それだけではありませんでした。〈人から好かれるまでの時間が短い〉のです。

    「じっくり付き合えば付き合うほど、良さがわかる」という人もいます。第一印象はあまりよくなかったけど、今では誰よりも信頼している…といった具合に。

    一方、A先輩は初対面から印象が良く、それを裏切りません

    人としてどちらのタイプがいいか、悪いかを議論するのは適切ではないでしょう。人のタイプも十人十色。

    しかし、就職活動・仕事・キャリアアップにおいて、A先輩の取り柄が役立ったことは間違いありません。

    順調に就職活動を終えたA先輩は、卒業後もその長所を遺憾無く発揮し、仕事で成果を出しながら、順調にキャリアアップを重ねています。

    ある時、そんなA先輩が「ちょっとしたコツ」を教えてくれました。

    初対面〜仲良くなるまでに気をつけること

    A先輩は社会人になり、営業をやることになりました。その際コミュニケーションや対人関係の心理学について勉強したそうです。

    「そしたら、自分がコミュニケーションの中で意識していることと、『コミュニケーションとテクニックとして書かれているもの』が被ってることが結構あったんだ。とくに初対面〜仲良くなるまでの期間を中心に。しかも僕以外の『ひとたらし』な人たちも共通して実践している部分が多かったんだよ」

    そんな先輩お墨付きのコミュニケーションテクニック、心理学の効果をご紹介します。

    とにかく自分から声をかける

    単純接触効果

    人は接触する回数が増えるほど、接触してくる相手への好意や信頼が高まります

    アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスは学生を対象にさまざまな実験を行この傾向を見出しました。これを「単純接触効果(ザイオンス効果)」と呼びます。

    難しい名前がついていますが、日常でもよくある現象です。あなたも経験したことがるのではないでしょうか。

    • 最初は好きではなかった歌だけど、CMやよく行くお店のBGMで流れており、気づけは口ずさんでいた
    • 単なるクラスメイトだったが、同じ係になり一緒に過ごす時間が増えて、恋愛対象として意識するようになった

    こうした現象も単純接触効果の一例です。

    声をかけるか迷ったら、とりあえず挨拶だけでも声をかけましょう。特に知り合ってすぐの場合、質より量なのです。(常識の範囲内で)

    返事があるかどうか、いちいち気にする必要はありません。まずはやってみて、続けることが大事です。

    表面的は話だけでなく、「わたしの話」をする

    自己開示

    コミュニケーションの総量が増えたら、次は会話の内容も意識したいところです。

    入学当初、友だちと知り合ったばかりのことを思い出してください。なんだが恥ずかしくて、授業のこと、流行っていることなど表面的で当たり障りのない会話が多かったはずです。

    しかし、高校までのこと、家族のこと、恋の話などお互いを知ることでぐっと距離が縮まったのではないでしょうか

    自分自身に関する情報を、ありのままに伝えることを「自己開示」と呼びます。197年に心理学者シドニー・ジュラードによって提唱され信頼関係の構築に効果があるという研究結果がでています。

    イリノイ大学のルース・クラークは、お互い自由な会話をした後、相手の魅力を尋ねるという実験を行いました。その結果、自己開示をしている人ほど魅力的と評価されることがわかりました。

    相手に話す「自分の話」はなんでも構いません。無理して話したくない自己開示をする必要もありません。

    また、人と出会って間もないときは、「相手のことが知りた」「共通の話題が欲しい」といった気持ちから質問攻めになってしまうことがあります。

    「出身はどこ?」

    「〇〇だよ」

    「へーそうなんだ!!高校では何か部活やっていた?」

    のように。

    こうした会話でも、相手のことを聞いたら、聞かれ返さなくても自分のことを伝えてみましょう

    「出身はどこ?」

    「〇〇だよ」

    「へーそうなんだ!!わたしは●●出身だよ。〇〇には行ったことがないなぁ。ところで…」

    といった風に。

    自己開示をしたから必ずすぐにお互いの距離が縮まったり、話が盛り上がるとは限りません。聞かれていないのに自分の話をするのは気が引ける人もいるでしょう。

    しかし表面的な話ばかりを続けていては、なにも変わらないのです。

    あなた、でも君でもなく「名前」で呼ぶ

    ネームコーリング

    「〇〇さん、ところでさっきの話だけど…」

    「今日のランチ美味しいね、〇〇さん」

    会話をするときに、言葉の端々で相手の名前を呼ぶ、これは心理学で『ネームコーリング』と呼ばれるテクニックで、好感度を上げることができると言われています。

    確かに、

    「おはよう!」だけよりも

    「〇〇ちゃん、おはよう!」と言われた方が心の距離が縮まる気がしますね。

    A先輩は、日常の挨拶や会話の中だけでなく、LINEやDMでもできるだけ相手の名前を呼びかけるように気を付けているとのことでした。

    また、「部長」など役職で呼ぶことができる場合でも、「〇〇部長」と名前付きで呼ぶよう、心掛けているそうです。

    話を聞くときの〈姿勢〉に注意する

    ボディーターム

    『手の内を明かす』

    これは秘密を明かす、正直になるということの慣用句です。また、本心を打ち明けることに『腹を割る』という言い回しをがありますね。

    このような体の一部を用いいた慣用句を「ボディーターム」と呼びます。そしてこれらは実際に効果を発揮することがあるのです。

    会話をするときにテーブルに手をのせ、指をにぎらず開く。こうすると「手の内を明かす」状態になり信用してもらいやすくなると言われています。

    また実際に「腹を割る」のは無理ですが、相手へおへそを向けるようにします。動物が降伏のサウィンとしてお腹を見せるように、「隠し事をしていない」サインとなり、相手に安堵感を与えます。

    ボディーターム効果は「やっていない」時を想像してもらうと、理解しやすいでしょう。

    知人に話しかけたとき、体が別の方向を向いたまま、手を見せてくれない(腕組みなど)されていたらどんな気持ちになるでしょうか。

    信頼できない話の聞き方
    こんな姿勢では…。

    対人距離の原理

    診察している医師のビデオを見て、どの医師が信頼できそうかアンケートを取るという研究があります。

    「信頼できそう」とされた医師全員に共通していたのが前傾姿勢で患者の話を聞いていました。逆に背もたれに寄りかかったままの姿勢で対応していた医師は「信頼できない」と思われていました。

    人との距離は心の距離。相手のとの距離が小さくなるほど好感を抱くようになることを「対人関係の原理」と呼ばれています。

    同じ距離の椅子に座っていても、少し前傾して相手へ顔を近づけましょう。相手は「しっかり話を聞いてくれているな」と思い、信頼関係が芽生えます。

    逆の効果もあります。背もたれにもたれてふんぞり返ると相手との距離があきます。また相手と自分の間に物を置くのも良くありません。無意識でですが「自分のことをブロックしている」という印象になるからです。

    初対面で、いきなりノートパソコンを広げて話す方もいますが相手との間に壁を作っているようなもの。少なくとも最初は閉じておくなどしたほうがいいかもしれませんね。

    行動も表情も「言ったこと」を実行する

    言動の不一致

    「約束を守れない人は、信用されない」

    このとこを否定する人はいないでしょう。

    人間なのでミスはある。でも「明日は○時に集合ね」と言っておいて遅刻する。「○○さんには、わたしから連絡します」と言っておいてやらない。そんなことが続くと信頼関係は損なわれます。

    「『言ったこと』と『実際の行動』が違う」

    これは約束を破る以外のケースもあります。

    • 「なんでも聞いてね」と言っていたのに、質問に答えない
    • 「頑張ります!」と言っておいて、動かない

    約束とはいかないまでも、「言ってること」と「やってること」が一致しない例です。信頼できそうにないですよね。

    この言動の不一致からくる不信感は行動だけに止まりません。

    • 不機嫌そうに「怒っていないよ」
    • 笑いなが「すっごく腹が立つ」
    • 無表情で「おいしい」「嬉しい」「おめでとう」

    このように「言葉」と「表情」が一致しないとき、相手は戸惑います。場合によっては、脅威を感じたり、試されたり、懲らしめられている気持ちになります。

    一度だけで大きく信用を損なうわけではありません。しかし繰り返すと「何を考えているのかわからない」と思われて信用されにくい傾向にあります。

    良かれと思って感情を押し殺すこともあるでしょう。しかし信頼関係の構築のためには素直に表現したほうがよいケースもあるのです。

    これを機に自分の感情の表現方法を見直してもいいかもしれないですね。

    [関連する話題]

    「選ばれる人」になるには

    社会に出て働く、ビジネスの世界で生きるということの残酷な一面に「常に人が選ばれる」点があると思っています。

    学生時代も、クラス委員の選抜や受験などはありました。しかし、社会にでるとその比ではありません。

    営業は商談の度に「選ぶか、選ばないか」を判定されています。だから同じ商品・サービスでも営業成績は人によって変わります。

    「この仕事をだれに任せようかな?」任せてもらえた人は、約束を守ることでさらに信頼感を得ることができます。

    選ばれる人になる、ということは社会の中でチャンスが広がるということです。そして「選ばれる」にあたっては信頼できるかどうがという大前提があり、その上でスキルや成果がついてくるものではないでしょうか。

    人が人を選ぶにあたって

    最も大切なのは『信頼』なんだ

    それに比べたら、頭がいいとか才能があるなんて事は、このクラッカーの歯クソほどの事もないんだ・・・

    漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の登場人物、ポルポのセリフです。

    わたしも人材育成の仕事でたくさんの企業をみてきました。多くの会社、多くの人が「どんなにスキルが高くても信頼できない人に仕事は任せられない」と言っています。

    ポルポのセリフは現実社会でも通用すると思って間違いないでしょう。

    ちなみに彼?はこんなキャラクターです。

    「信頼される」とは人間関係の根幹の部分です。

    一番大事なのは、表面上のテクニックではなく、やはり相手を思いやること。尊重すること。

    知識を深め、スキルを磨くことも非常に大事ですが、「人と信頼関係を築く」ことを忘れずにいたいですね。

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    [関連するおすすめ本]

    ほんの少し行動パターンを変えるだけで、グンと評価が上がるコツを教えます。人間関係のプロたちがひそかにやっている、良縁を引き寄せるコツを大公開する一冊です。

    参考

    • 説明力講座(プレジデント社)
    • 良い事?悪い事?「人たらし」とはどんな人か特徴を解説!類語も紹介(https://eigobu.jp/magazine/hitotarashi)
    • 人たらしの意味とは|人たらしの特徴と好かれる人になる方法を大公開!(https://smartlog.jp/145509)

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