考えるとは自分に「質問」すること。質問の型を増やし、思考力を鍛えよう。

    スキルを磨く

    「考える」とは、自分に質問すること


    中谷 彰宏『『いい質問は、人を動かす』

    「悩む」と「考える」の違いと何でしょうか。

    あなたの身の回りにもたくさんの課題があるはずです。

    あなたはその課題に対して「悩んで」いますか?それとも「考えて」いますか?

    「悩む」とは

    結論が出せなくて苦しむ。思いわずらう。

    「考える」とは

    物事について,論理的に筋道を追って答えを出そうとする。思考する。

    さまざまなことを材料として結論・判断・評価などを導き出そうとする。

    わたしのMac Bookの辞書を検索するとこのように出てきます。(一部抜粋)

    「困ったなぁ」「どうしよう」と思うものの、モヤモヤしたまま、堂々巡りになってしまうことがありますね。「悩む」とはこのような状態。

    一方、辞書によると「考える」とは、モヤモヤで終わらずに、答えや結論、判断などを〈導き出す〉ことのようです。

    では、適切な答えを導き出すにはどうしたら良いか。

    今の状況や悩み、課題を正しく捉え、〈適切な質問〉を自分に向かって投げかけてみること、それがポイントになるのではないかと思います。

    現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏も次のように述べています。

    重要なことは、正しい答えを見つけることではない
    正しい問いを探すことである
    間違った問いに対する正しい答えほど、危険とはいえないまでも役に立たないものはない。

    「将来どうしよう?」と悩んでいるとき、この「どうしよう」からいきなり答えを見つけようとしても、なかなかうまくいきません。

    「自分は何をしている時がワクワクしているだろうか?」

    「自分自身にとって『幸せ』を語る上で、欠かせない価値観は何か?」

    「『あの人みたいになりたい』と思う人は誰か?」

    具体的な質問を自分に投げかけることで、少しづつ自分なりの答えに近づいていきます。

    質問の型を増やすことで、思考の型も増やせる

    経済産業省は2006年、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として「社会人基礎力」として、3つの要素を定義しました。

    「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」です。

    思考力が社会人にとって重要であることがわかります。

    さらに業界別に見てみると、例えばコンサルティング業界や広告業界は「形のある売り物」が存在しません。そのため「思考力」を駆使して論理やアイデアを導き出しすことで、高い価値を提供しています。

    思考スキル自体が価値となるのです。

    さらに言うと、仕事で取り組む課題には、いつでも正解が導き出せる「方程式」が存在しないケースが多いです。

    毎回同じやり方、考え方が通用しないということも少なくありません。ですから課題ごとにいろんな視点から考えることが必要です。

    社会には「〇〇思考」「〇〇シンキング」と呼ばれる思考法がたくさん存在します。

    〈思考力を高める〉ためには、1つの思考法を深めるだけではなく、さまざまな思考方法を身につけることも大事になるのです

    「思考法とか難しそうなことできない…」

    「でも、自分は頭よくないし…無理…」

    そう考える人もいるかもしれません。

    しかし、冒頭にあるように〈思考する=考える=自分に質問する〉と考えてみましょう。

    思考法を増やすということは、自分に質問する〈質問のしかた〉のバリュエーションを増やしていけばいいのです

    こんな質問を投げかけてみては

    例えば、こんなケースを考えてみましょう。

    あなたは英語を勉強中であり、TOEICで〇〇〇点を取ることを目標としている。しかし勉強が捗らず、点数が伸び悩んでいる。

    「どうしたら点数があがるかな〜」とは思うものの、モヤモヤした状態から抜け出せずにいる。そんな状況からは脱したいですね。

    あなたなら「どうしよう」以外に、どんな質問を自分に投げかけますか?

    質問を変えるだけで、実にさまざまな視点からこの問題を考えることが可能です。

    「なぜだろう?」

    目的としての「なぜ」

    そもそも、なぜ英語を勉強しようと思ったのでしょうか。

    もし「英語圏の友人が欲しい」「来年留学に行きたい」などであれば、TOEICの点数にはこだわる必要がない。日常会話を楽しめるような勉強法に変えることもできますね。

    目的に立ちもどることで、「そもそも今の目標設定は妥当なのか」を検証できます。

    理由としての「なぜ」

    「なぜ勉強が捗らないのか」の原因を探ることで、勉強に打ち込めるようになるかもしれません。

    「なぜ点数が伸びないのか」の原因を探ることで、自分の苦手を明確にすることができます。そうすればポイントを絞って効率のよい学習ができますね。

    「つまり、どういうこと?」

    今の状況はどういうこと、と言えるでしょう。

    「自分は本当に英語を学びたいと思っていない」

    「勉強を習慣化できていない」

    「正しい勉強法自体がわかっていない」

    「なぜ」という質問と似ていますが、「つまり」という質問で投げかけると、〈より『本質的』な課題〉が見えてくることがあります。

    「例えば、(具体的に)何がある?」

    今の自分が英語の点数を上げられるには、どんな方法があるでしょうか?

    最初からベストな方法の1つを思いつく必要はありません。

    • 単語帳を作る
    • Youtubeで勉強する
    • 参考書を変える
    • 朝早起きして、時間を作る

    なんでもよいので、具体的な例を出してみてから検討するという方法もあるのです。少なくとも「どうしよう…」の堂々巡りからは一歩前進します。

    「別の可能性・方法もあるんじゃない?」

    別の質問と組み合わせて使うことで、自分のアイディアをより一層引き出せるかもしれません。

    • 「例えば」と組み合わせて

    今やれることは、問題集を解くこと。でも他の方法もあるんじゃないかな?

    • 「なぜ(理由)」と組み合わせて

    私の勉強が捗らないのは、授業のレポートで忙しかったからだ。でも、他の原因もあるんじゃないだろうか?

    「それって思い込みじゃない?」

    わたしたちは、いろんな「思い込み」や「先入観」を抱えています。しかし〈思い込みや先入観がある〉ということすら気が付かないまま過ごしていることがほとんどです。

    また、SNS・メディアでは〈誰かの思い込み〉が、まるで事実のように拡散されていることもあります。

    「わたしは英語が苦手」という思い込みがあるかもしれない。

    「あの人がオススメする勉強法が、誰にでも通用する(わたしにも合っている)」という思い込みがあるかもしれない

    どんな人も多かれ少なかれ思考に偏りがあり、自由な思考を阻害しています。

    事や情報に対してまず疑問をもつことで、自分の考えの偏りに気づき、視野を広げ、考えられることの幅が広がります。

    「今、一番考えなきゃいけないことは?」

    質問のバリエーションが増えるということは、いろんなことを考えられるようになるということです。

    だからこそ、自分に向ける質問に優先順にをつけなければなりません。

    この質問を自分に向けることで、自分にとって大事なことが明確になります。

    解を急ぐより、問いを深めよ。

    「イノベーション」

    新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出みだすこと。みなさんも聞いたことがある単語かと思います。

    イノベーションに関する書籍はたくさんありますが、著名な一冊に『イノベーションのジレンマ』があります。この著者クレイトン・クリステンセンは言いました。

    問いとは、答えが収まる場所だ。
    問いがなかったら、答えは行き場を失う。

    ここで紹介した以外でも、いろんな質問を投げかけることが可能です。

    • もし、あの人だったらどうするだろう?
    • 短期的にはどうなるだろう?
    • 長期的にはどうなるだろう?
    • する価値はあるだろうか?

    質問は無限大です。

    めんどくさい?面倒だからといって避けているところに成長は生まれないのです。

    解を急ぐより、問いを深めよ


    石川善樹/医学博士

    あなたは今、自分に何と問いかけますか?

    [関連する話題]

    自分に向けた質問は「自分自身を理解する」ことにも役立つというお話です。

    自分への質問力を高めることは、課題設定力を高めることにも繋がります。

    [関連する本]

    本書では、自分の内側における自分自身との対話(セルフトーク)に着目しています。自分自身に適切な問いを投げかけることで、考え方や相手との捉え方を変えていける内容です。

    本書では「生きていくうえで本当に大切な問いは五つしかない」と述べ、その5つの質問について解説しています。5つに絞っているので、身につけやすいですね。

    自分に質問することは思考力を鍛えますが、質問が持つ効果はそれ以外にもあります。自分に向けた質問・他人に投げかける質問など質問力についてトータルに学べる1冊です。

    参考

    「考えるエンジン」考える名言集99 https://www.kanataw.com/meigen99/

    「経済産業省」社会人基礎力 https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

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