「伝統的なやり方」を過信しない。体育会系の部活で「自分の頭で考える」ことを学んだ話

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    私は中学から大学まで体育会系でソフトテニスを本格的に行っていました。実際に私が学生時代を過ごしたのは、まだまだ昔ながらの厳しい体育会系の上下関係が残っている頃。それなりに強豪校だったため、体罰や厳しい練習も当たり前のように行われていました。

    私も、他の部員もそのことに疑問を感じたことはなかったように思います。「これが部の伝統だから」「強豪校はみんな厳しい環境だから」と受け止めていました。

    大学に入り、そんな私の価値観、そして周りの価値観も大きく変わることになります。それは当時では革新的な監督のスタンスがきっかけでした。

    主体性を重んじる方針変更

    その監督は競技に対しては素人でした。ある日監督は我々に、選手自らがメニューを作り、目標、それに対するアプローチ、日々の管理、上下関係のあるべき姿などを全て考えさせることを命じたのです。

    正直驚きました。大学でも高校と同様に、絶対的な上下関係や強制的な練習メニューが当たり前だった時代です。

    しかし監督は、この方法では伸びない、と主張しました。さらに「今のままでは活動以外で何か取り組むときや、社会に出たときに自ら考えることができなくなる、こんな方法は間違っている」とも。

    正直なところあまり勉強などしてこず、練習も与えられたメニューをこなしてきたメンバーばかりです。「自分たちで考える」ことは当初なかなか大変でした。手法について教えてもらいながら、練習以外にホワイトボードを前にして自分たちで考える時間を持つようになりました。

    変化

    最初はこのようなやり方で自分たちのレベルが上がるのか、昔ながらの体質が変わるのかと皆疑問に感じていました。

    一番最初に変わったのは後輩から先輩に対して意見具申ができるようになったことです。それまでは1年生から4年生に対してコメントをすることなど、ありえない世界だったのです。

    しかし少しづつ、旧来のやり方や体制に意義を唱えること、新しい提案を積極的に打ち明けることができるようになりました。また、合理的でなかった練習や訓練、体罰についてもやめようと言う声が自然に上がるようになりました。

    「今までもこうした体制でやってきたから」という理由だけで受け入れ、我慢してきた環境が、風通しが良い雰囲気になったことを今でも覚えています。

    成果が出る、周りの評価も変わる

    もちろん、自分たちで考えて部活動を行う、目標に対してアプローチするといっても毎年メンバーが変わっていくのでそうそう簡単にはこれは根付きません。私が1年生の時にこのような変革が始まり、正直なところ成績もすぐには上がりませんでした。むしろ下がったほどです。

    しかし、私が4年生になったときには自分自身でメニューを考え、大会の成績もかなり上位に取り込めるようになり、相乗効果として就職活動に取り組む際の大きな成果になったことを今でも覚えています。

    「当たり前」を疑い、自分で考えられる人に

    卒業後、製造業に就職し営業から商品企画、宣伝広報まで様々な職能に携わってきました。どのような部門に入っても大学時代に養った能力は生かされました。 

    私か大学を卒業した時代より、さらに社会は目まぐるしく変化しており、「今までやってきた方法」が通用しなくなるケースが増えました。既存の考え方から脱却し、自分で考えられる人間がより一層求められていると感じます。

    大学時代に監督に出会わなければ、どんな社会人になっただろうと考えることがあります。厳しい上下関係や練習に耐え抜き「根性」だけは身についていたでしょう。しかし一方で自分の置かれた環境や現状に対して疑わない「思考停止」の癖がついていたかもしれません。

    大学時代に「従来の方法から脱却すること」「自分で考えること」これを経験できたことが人生を変えたといっても過言ではありません。

    著者プロフィール
    tamuno
    tamuno

    大学の法学部を卒業後、製造業に就職。営業から商品企画、宣伝広報まで様々な職能に携わってきました。どのような部門に入っても大学時代の経験は生かされていると思います。

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