「僕・私もそう思います」「いつもと同じでいいです」
大学のサークル・部活のミーティングなど、もしくはゼミなど日常のさまざまな場面で意見を求められることがありますよね。その時にあなたはついつい、このような答え方をしていないでしょうか?
もしくは何かをするときに、ついつい「いつもと同じ方法で」「前年通りのやり方で」という方法を選択していませんか?
毎回斬新な方法を試す必要はありません。ただ、新しい方法やより良い方法について検討することもなく「なんとなく」いつも通りのやり方をしていたら、今よりよくなることはありませんよね。
既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決法を考えるような能力を「創造力」と言います。経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」に定義されています。つまり「創造力」はこれからの社会人にとって基礎的に必要になる能力とされているのです。
では、大学生であるみなさんが「創造力」を鍛えるにはどのような方法があるでしょうか? ここでは難しいことではなく、身近なもので取り入れられる「想像力を磨く方法」をお伝えしたいと思います。
「創造力を鍛えるぞ」と決意する
わざわざこんなことを言わなくても、と思う方もいるかもしれません。しかし前述の通り、社会人基礎力による創造力とは「既存の発想にとらわれず」新しい価値・解決策などを考えていくことです。
自分の思い込み(=既存の発想)から離れるのはとても難しいものです。それには日頃から意識するということが非常に重要なのです。
「自分はクリエイティブなタイプじゃないから無理」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。創造力は生まれつきの能力ではなく、鍛えることのできる思考方です。また右脳タイプ・左脳タイプというようなものでもまりません。
「新しいもの」「知らないもの」にたくさん触れる
アイディアや新い考え方というのは、ある日天から降ってくるわけでも、頭に急に浮かび上がるものでもありません。多くの場合、全くのゼロからではなく、これまで得た知識や情報を掛け算して出来上がります。
そのため自分の持っている情報や知識が多いに越したことはありません。別に難しい本を読む必要はありません。興味のあるSNSアカウントをたくさんフォローしたり、気になったアプリはダウンロードして少し使ってみるのもいいでしょう。
もちろん、人と会って話すことも多いに刺激になります。
いつものやり方を変えてみる
人は意識して習慣づけているものもあれば、「なんとなく」で同じ行動を撮り続けていることもあります。なぜでしょうか。理由は一つではないのですが、「考える・迷うのがめんどくさい」というのもあります。
あえていつも「なんとなく」やっていることを行動を変えてみましょう。いつも行っているお店を変える、いつもの作業の順番を変えてみる、など。
すこし行動を変えるだけで新しい視点が取り入れられることがあります。新しい行動をしならがら、ぜひ感じられることを探してみてください。
「考え続ける」ということに挑戦してみる
経産省の定義する「創造力」は大きなカテゴリーでは「考え抜く力」に分類されています。創造力とは決して単なる「アイディアマン」ではないのです。しかしみなさんは答えのない問題について、どれほど「考え続けた」ことがあるでしょうか。これこそ、なかなか難しいものです。
「〇〇を解決するためにどんな方法があるだろうか」「○○を成功させる方法は?」など正解のない課題を設定して、一定時間考え続けてみましょう。慣れないうちは最初に出てきたアイディアが全てで、それ以上なにも考えられないかもしれません。しかしそこで終わらず考え続けるからこそ「創造力」は鍛えられます。
一定時間考え続けようとすると、「この課題のポイントは他にもあるのかな」と新しい視点を探そうとします。また「私はなぜそう考えたんだろう」と自問自答することもあるかもしれません。こうした行為こそが考え続けることであり、考えを深堀する習慣へと繋がります。
考えを書き留める⇨見返して考え直す。
アイディアとは自分で思いついたら、それが完成形というわけではありません。そこからどんどん「発展」させていくものです。最初は良くないアイディアと思われたものでも、発展させていくと面白いものになることもあります。
アイディアを書き留めておけば、一度客観的・冷静な視点を持つことができ、さらに見直すことが可能になります。
アイディアを発展させていくためには、じっくり考えることも大事ですが一度その考えから離れてみることも効果的です。一晩おいたり、全く違ったことをしたり考えたりしたあとで見返してみると、思いも寄らないアイディアの発展方法が見つかることがあります。
創造力は誰にでも鍛えることができる。第一歩は意識すること。
創造力はあなたの中に「ある」「ない」というものではなく、だれでも身につけ、鍛えることのできる能力です。
しかし、日々を「なんとなく」生きていては創造力が身につきません。毎日「ちょっとだけ」で良いので新しいもの・こと・やり方などに意識を向けてみましょう。
[関連する書籍話題]
Recomended by New Me
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできません。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く、それを著者は「知的複眼思考法」と名付け、解説しています。
例題を何度も提示してくれている事で、参加型ゲームをしているような楽しい没入感、知的興奮を与えてくれる一冊です。