「自分を愛するとはどういうことか」きっかけを与えてくれた大学時代のひとり旅

    自分を見つめる

    どうせ私なんか、という気持ちを持ったままの入学

    美術系の大学生でした。予備校時代は早朝から夜遅くまで、絵を描き、学科の勉強をしました。自分でも物凄く頑張ったと思います。ですが、第一志望校には不合格、入ったのは第二志望でした。ですが、予備校をサボってふらふら気ままにしていたクラスメイトが私の第一志望にすんなり合格し、複雑な気持ちでした。

    また、受験のストレスから過食症になり、合格発表の日から1学期の終わる6月末までに10キロも太りました。

    大好きな絵を学ぶために入った大学、でも志望校では無かった大学と、そこに入れなかった自分、太った自分が嫌で嫌でたまりませんでした。新しい友人が出来てもよそよそしい態度の私、ゼミが始まっても心ここにあらずの私、サークルにも入らずの私。「どうせ私なんか」という暗い気持ちがどんな状況にもありました。

    ひとり旅

    大学の夏休みは長いです。夏休み中の課題の絵の取材も兼ねて、広い大地が見たくなった私は、ふらっと一人で北海道に行くことにしました。普通電車を乗り継ぎ、ユースホステルに泊まる、という貧乏旅行です。

    北海道をどんどん北上し、礼文島に着きました。ここのユースホステルで「礼文島を歩いて縦断」というツアーを開催していたので申し込みました。

    参加者はおじさまから学生まで、様々な年齢層、肩書きの方々。

    初対面なのに皆、和気あいあいと縦断しました。

    一方、私は「どうせ私となんか誰も話したがらないな」と思い、一人無言で歩き続けました。

    そんな感じで終わったツアー。

    次の日です。愛媛から北海道まで自転車で来た、と言う大学生の女の子と話をしました。その子は「大学に入ったから4年間、思いっきりいろんな事に挑戦するの」と言っていました。

    なんだか別世界の明るい子だなと思うと同時に、前向きな姿と、誰にでもフランクに話しかけることが出来る性格が羨ましかったです。

    そこへツアー参加最年長のおじさまも加わりました。いろんな雑談をして最後じおじさまは言いました。

    「あなたは自分を愛していないね。先ずは自分を愛してみなさい」と。

    自分を愛するなんて考えた事が無かった私にはびっくりの言葉でした。と同時に、なぜか自然に涙があふれ、思い切り泣いてしまいました。あの時の感情は今でも言葉にできません。たたただ涙を流しました。

    それからも旅を続けました。おじさまの言葉がずっと胸にあって、その事を考えながらの旅になりました。

    4年間、心に居続けた言葉

    「自分を愛する」、今まで思った事の無い事をいきなり出来るようにはなりません。でも、私は「自分を愛する・大事にする」ということを意識するようになりました。

    まず取り入れたのはのは自分と対話する、ということです。本当にやりたいことは何?」私は自分の心に問いかけるようになりました。

    そして、あの自転車の女の子のように、色々なことに挑戦する事にしました。物凄く大きな絵を描いたり、天然の石から絵の具を作ったり。テントを積んで自転車旅行にも行きましたし、個展も開きました。子どもとアート活動をするサークルにも入りました。

    どれも「自分のやりたいこと」を一番大事にしました。周りの評価や、どんな成果を挙げられるか、ではなく自分自身の「やりたい」という気持ちを最優先させたのです。

    そうやって始めると、自然と一生懸命になれます。いい結果が出せたことも失敗したこともありますが、一生懸命取り組むといろんなことが学べて成長を実感できます。なにより「一生懸命取り組んだ」という経験自体が少しずつ自分の自身に繋がっていきました。

    「自分を愛する」と言うことがとても大切で、前向きな気持ちになれるのだと言うことを実感し始め、制作活動にも熱が入りました。

    個展では「心に響く物がある」と、泣いてくれた方がいました。私には、私にしか出来ない方法で、人を感動させられる事が出来るんだ、と自分自身に驚きました。

    4年間、がむしゃらに絵を描き、バイトをし、大親友と呼べるクラスメイトとの出会いもありました。卒業式、主席での卒業となりました。

    4年間、いつも心にあった言葉「自分を愛する」という事の意味が分かった気がしました。

    著者プロフィール
    あさひ
    あさひ

    美術大学で絵画を学び、その後スペインに留学しました。ここでは銅版画を学びました。今は国際結婚して2児の母、挿絵を描いたり、作品を販売しています。地域の活動で子供達とアートのワークショップも。

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